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CD ALBUM

あおもり
ピアノスケッチ

青森の風景、祭り、記憶をソロピアノで描く。

青森市在住の田中とおる氏によるアルバム。以下は田中とおる氏による解説。

CD『あおもりピアノスケッチ』ジャケット

Album Concept

長く音楽活動を続けているうちに、いつの間にか青森を題材にした曲がたまっていました。そこで一度、これまでの歩みをまとめるつもりで、このアルバムを作りました。

バンド編成ではなく、僕らしさを最も発揮できるのはソロピアノだと考え、全曲をソロピアノで収録しています。

全10曲の小さな旅

青森市から弘前へ、下北半島、奥入瀬、南部町を経て南郷へ。県内を車で巡るような流れを意識して曲順を組みました。

AOMORI PIANO JOURNEY

10曲で巡る青森

地図上の番号をクリックすると、各曲の舞台を確認できます。

TRACK STORIES

曲目と、その風景

雨上がりの三内丸山遺跡の六本柱の周りで縄文人たちが踊るイラスト

TRACK 01

雨上がりの六本柱 ~縄文シャッフル~

10曲目に収録した「雨の南郷村」のアンサーソングとして作りました。

なぜかというと、「雨の南郷村」には雨乞いの力があるような気がするからです。この曲を弾くとなぜか雨が降る。時には災害級の大雨になることさえあります。

そこで、その力を相殺する曲が欲しくなりました。「雨の南郷村」を弾いたあとにこの曲を弾けば、雨がやむ――そんな少し勝手な設定で作った曲です。

雨上がりの三内丸山遺跡。六本柱から落ちる雨だれがシャッフルのリズムになり、それに合わせて縄文人たちが踊り始める。そんな光景をイメージしています。

ねぶた祭が終わった後の雨上がりの青森市街を描いた夜景イラスト

TRACK 02

夏の残像 ~青森ねぶた囃子による小さな変奏曲~

ねぶた祭が終わったあとの、青森の夏。楽しかった祭の記憶をしみじみと思い返す、懐かしさと少しの寂しさをイメージしました。

ねぶた囃子の旋律をリハーモナイズし、小さな変奏曲に仕立てています。

青い海公園の海辺とデッキを描いた青い夜のイラスト

TRACK 03

安潟ボサ

この曲を初めて披露したのは、青森市安方の「Cafe Bar ATOM」さんでした。

現在の地名は「安方」ですが、この辺りにはかつて「安潟」と呼ばれる大きな池沼があったと伝えられています。その古い呼び名を取り、安方で生まれたボサノヴァという意味を込めて「安潟ボサ」と名づけました。

制作にあたっては、夏の日に青い海公園を歩きながら、海辺の風景からイメージを膨らませました。

残雪の岩木山を描いた水彩風の風景イラスト

TRACK 04

8月1日 ~お山参詣登山囃子変奏曲~

「お山参詣の登山囃子をピアノ曲にしたい」という思いは、以前からありました。

この曲が生まれたのは、コロナ禍でライブ活動が減り、時間に余裕ができた頃です。自分自身を見つめ直し、さまざまなことを考えた時期でもありました。

モチーフは登山囃子ですが、原曲をそのまま再現するのではなく、僕なりの解釈で表現しています。

夜の弘前ねぷた祭りで扇形の山車が輝くイラスト

TRACK 05

Rhapsody in Hirosaki ~弘前ねぷた囃子変奏曲~

この曲も、コロナ禍の中で生まれました。初めて披露したのは、弘前駅のストリートピアノです。マスクをして演奏しています。

弘前駅での演奏をYouTubeで見る

僕は四度堆積和音の響きが大好きで、この曲でも随所に使っています。こうした響きを生かした曲を、これからもっと作っていきたいと思っています。

満月を背にした五重塔の黒いシルエット

TRACK 06

月輪の塔

弘前市の「れもん」さんでライブをすることになり、その数軒隣にある最勝院をテーマにした曲を演奏したくなって、急遽作りました。

最勝院には大きな五重塔があります。この曲では、月夜に浮かぶ五重塔の姿をイメージしています。

「月輪」は「がちりん」と読み、満月を表す言葉です。「月輪観」という瞑想法があり、最勝院でも行われていると知ったことから、このタイトルをつけました。

2023年頃、修復を終えた仁王像のお披露目が最勝院の本堂で行われ、僕も足を運んで間近で拝見しました。そのときに感じた本堂の静けさや独特の空気感も、この曲に込めています。

国道279号線を疾走する感覚を描いた絵画風イラスト

TRACK 07

Route 279

国道279号線は、青森市方面から下北半島へと続く道です。

このアルバムには、僕の長い音楽活動の歴史も残したいと考え、ずいぶん昔に作ったこの曲を収録しました。

初めて披露したときは、もっとにぎやかな曲でした。今回はソロピアノに合わせ、少し寂しげな表情で演奏しています。

紅葉の森を流れる奥入瀬渓流を描いた絵画風イラスト

TRACK 08

奥入瀬の奏で

鳴海昭仁氏のプロデュースによる、今千里氏のアルバムのために作った曲です。

実は歌詞も僕が書いていますが、今回はソロピアノアルバムなので、インストゥルメンタルとしてセルフカバーしました。

奥入瀬渓流をモチーフにした楽曲です。

ジャックドまつりの野外ステージでバンドが演奏するイラスト

TRACK 09

苫米地の夜に

鳴海昭仁氏のアルバムのために作った曲を、ソロピアノでセルフカバーしました。

南部町で開催される「ジャックドまつり」に向けて作った曲です。会場となる南部町ふれあい公園は、南部町の苫米地地区にあります。

歴史をたどると、かつては苫米地村だったと知りました。その土地の歴史をタイトルに残したいと思い、「苫米地の夜に」と名づけました。

強い雨が降る八戸市南郷区の道路を描いた水彩風イラスト

TRACK 10

雨の南郷村

いつも大変お世話になっている鳴海昭仁氏と、初めてご一緒したときのことです。

いきなり南郷村、現在の八戸市南郷区での遠征ライブとなり、本番中に「とおるさん、次、何かソロで弾いて」と言われました。その場でとっさに浮かんだのが、この曲のもとになったメロディーです。

そのメロディーをもとに、コロナ禍の頃、僕なりにドラマチックな作品に仕立てたいと思い、一気に完成させました。

最初のバージョンをYouTubeで見る

今回は、アルバムのためにあらためて演奏しました。

曲順について

僕は、生まれも育ちも、現在暮らしているのも青森県青森市です。

まず、僕のホームタウンである青森市から始まりました。1曲目から3曲目までが青森市です。そこから弘前へ車を走らせ、4曲目から6曲目へ。その後、国道279号線を通って下北半島へ向かい、さらに十和田湖・奥入瀬方面へ進みます。山を越えて南部町苫米地地区へ向かい、最後は八戸市南郷地区へたどり着きます。

青森県内を車で巡る旅のような流れと、アルバム全体としての演出の両方を考えて、この曲順にしました。

アルバム制作にあたって

提供曲のセルフカバーを快諾してくださった鳴海昭仁氏、今千里氏に、深く感謝申し上げます。

どうもありがとうございました。

Artist

田中とおる

青森市在住のピアニスト。